小1算数、プリントを増やす前に|止まった場面から選ぶ3つの練習

プリントを一枚増やせばよいのか。それとも、前の練習に戻った方がよいのか。

丸つけをしていると、ここで迷うことがありますよね。答えが違っていても、数の組を思い出せなかったのか、問題の約束を読み違えたのか、数え始める場所がずれたのかで、次に試すことは変わります。

私が大切にしたいのは、間違いを見つけたあと、すぐに練習量を増やすのではなく、「どこで止まったのか」を一つ見ることです。全部の原因を一度に整理しなくても、今日の一問で助けになったことが分かれば、次の始め方を選べます。

今回は、小学1年生の算数で見かける三つの場面から、家で試せる練習を紹介します。例題と会話は説明のために作ったものです。この三つを全部行う必要はありません。近い場面を一つだけ選んでみてください。

1.「3・4・7」を全部足すなら、選ぶ数を確かめる

問題は「合わせて10になる数を、二つ選びましょう」。ところが、3、4、7を順番に全部足してしまう。

ここで「10になる組をもう一度覚えよう」と進む前に、何枚選ぶ問題かを確かめてみます。数の組は分かっていても、「三つ並んでいるけれど二つ使う」という約束で迷っていることがあるからです。

紙を三枚用意し、3、4、7を一枚に一つずつ書きます。机に二枚置く場所を空けて、

「今日は、この中から二枚だけ使うよ。何枚置くんだっけ?」

と聞きます。二枚だと確かめられたら、まず3の紙を置き、

「3と、あといくつで10になるかな?」

と相手を探します。7を選べたら「3と7で10。二枚を選べたね」と、数の組と枚数を合わせます。

3、4、7の候補から3と7を選ぶと10になる

並んだ数を全部使うのではなく、今回は3と7を選びます。

残った4は、いつも使えない数ではありません。今回は3の相手として10を作らなかっただけです。4の紙に×をつける必要はなく、候補の場所に残しておけます。

もし3の相手が出てこなければ、紙に10個の部屋を描き、3個に丸を入れて空きを一緒に数えます。「二枚を選ぶ」ところで止まったのか、「3の相手を探す」ところで止まったのかを、分けて見たいですね。

詳しい声かけと無料プリントNo.11への入口は、3つの数から「10になる2つ」を選ぶときにまとめています。No.11は候補から二つを選ぶ問題です。三つの数で10を作るNo.12とは、問題の約束が違います。

2.「4と6」は言えても「6と4」で迷うなら、同じ丸を動かす

「10は4と6」と言ったあと、左右を替えると、また最初から数え直す。

「さっきと同じだよ」と言いたくなりますが、何が変わり、何が変わらないかを、目の前のものから確かめる方法があります。

紙を二枚用意し、一枚に丸を4個、もう一枚に6個描きます。左に4個、右に6個を置き、一緒に全部で10個と数えます。そのあと、丸を足したり消したりせず、紙の左右だけを入れ替えます。

「場所を替えたよ。丸は増えたかな。減ったかな」

すぐ答えが出なくても、もう一度数えて構いません。左は6個、右は4個。全部は同じ10個です。

4個と6個の紙を左右に入れ替えても全部で10個

変わったのは紙の位置。丸を増やしたり減らしたりしていません。

このとき「いくつ?」だけでは、片方の6個を聞いているのか、全部の10個を聞いているのか分かりにくくなります。「この紙にはいくつ?」「二枚を合わせるといくつ?」と、指す範囲も一緒に示します。

紙を動かすと数え直せるなら、今日はその確かめ方を残します。図なしですぐに言えることまで、その日に求めなくてもよいと思います。反対に、図を見なくても分かるなら、毎回数える手順に戻す必要はありません。

数字と丸をつなぐ手順、無料プリントNo.9への入口は、「10は4と6」は言えるのに「6と4」で迷うときで紹介しています。

3.5+3を「5、6、7」と数えるなら、増える前に戻す

指を三つ動かしているのに、5+3の答えが7になる。こんなときは、最初の5を「増やした一つ目」として数えていないかを見ます。

まず、紙に丸を5個描きます。まだ何も増やしていない状態で5個です。その右側に一つ描き足すと6個、もう一つで7個、三つ目で8個になります。

「ここに5個あるね。一つ増えたところで、全部はいくつになった?」

5の次の6から数え始めることを、言葉だけで覚えさせるより、丸が一つ増えた動きと合わせます。描き終わる前に大人が「6、7、8」と言い切らず、一つ増えるたびに確かめます。

「増えたのはいくつ?」なら3個。「はじめの5個と合わせて、全部でいくつ?」なら8個です。3と答えた場合も、何を聞かれたと思ったのかを確かめてから、見る範囲を示します。

途中で分からなくなったら、8個全部を数えて大丈夫です。全部数える方法と、5から続けて数える方法で、同じ8になることを見られます。

指を使う場合の手順と図解は、5+3を「5、6、7」と数えてしまうときにあります。今回は紙だけで試せます。10づくりのプリントを、数え足し専用の教材として使うわけではありません。

一問を選んだら、変えることも一つにする

三つの場面を見比べると、同じ「答えが違う」でも、声をかける場所が違うことが分かります。

  • 全部の数字を使う → まず「二つ選ぶ」の約束を確かめる。
  • 左右を替えると迷う → 同じ丸のまとまりを紙ごと動かす。
  • 数え始めがずれる → まだ増えていない5個へ戻す。

一つ試したあと、数字・並び方・問題数をまとめて変えると、何が助けになったかが見えにくくなります。今日は「二枚だけ」と伝える、今日は紙の位置だけ替える、というくらいで止めてみてください。

子どもが疲れて紙を見なくなったら、その場で三つとも試さなくて大丈夫です。「今日は二枚選ぶところを一緒に見たね」と区切ることもできます。

振り返るなら、「最初は三枚とも足した。二枚と確かめたら3と7を選べた」のように、見えたことを一行だけ残します。点数や正解の数に加えて、どんな助けがあったかが分かるメモです。家にある紙やスマートフォンのメモで十分です。

無料で始めるものと、まとめて使えるもの

数の組を紙でも練習したい場合は、10づくり無料プリント20枚から、近い場面の一枚を選べます。全部を順番に終えることを、始める条件にしなくて構いません。問題と答えは無料で使えます。

今回の「候補から二つ選ぶ」ならNo.11、「10を二つに分ける」ならNo.9が入口になります。プリントに移って問題の指示が変わったら、そこで改めて約束を一緒に見ます。数え足しは、まずこの記事の紙の丸で試してください。

家庭で見る点、プリントの選び方、取り組みの記録を一つにまとめて使いたい方には、小1算数「10づくり」見取り・実行セットもあります。家庭用PDF12ページ、500円です。

購入前に、内容の案内と無料見本3ページを確認できます。無料プリント20枚は、セットを購入しなくても使えます。この記事で紹介した声かけも、そのまま無料で試せます。

まずは、今の一問に近い場面を一つ。プリントを増やすかどうかは、その一手でどこまで進めたかを見てから考えてもよいと思います。

タイトルとURLをコピーしました