小学校1年生の算数で、保護者が迷いやすいことのひとつが、「答えは合っているのに、かなり時間がかかる」という状態です。
たとえば、
- 間違いは少ない
- 最後まで解けている
- でも、1問ごとにかなり止まる
- 宿題に必要以上に時間がかかる
といった様子です。
答えが合っていても、毎回1から数え直しているなら、問題数が増えたときに時間がかかります。まず、どこで数え直しているかを見ます。
「遅い = できていない」とは限りません
まず大前提として、計算に時間がかかること自体を、すぐに「できていない」と決めなくて大丈夫です。
小1では、
- 数を確かめながら進めている
- 自分なりに丁寧に考えている
- まだ頭の中だけで動かすのが不安定
ということがよくあります。
そのため、遅いことだけで心配しすぎる必要はありません。
ただし、どんな遅さなのかは見ておいたほうがよいです。
ポイント1 毎回1から数え直していないか
計算が遅い子で、まず見たいのは、毎回最初から数え直していないかです。
たとえば4+3なら、4の続きから5、6、7と数える方法があります。毎回1、2、3、4、5、6、7と全部を数え直している場合は、問題数が増えたときに時間が伸びているかを見ます。
この場合は、間違っているというより、まだ一つずつ数える方法を多く使っている段階かもしれません。続きから数える、数を分けるなど、別の見方を使うと負担が減るかを試してみます。
家で見たいこと
- 小さい数でも毎回1から数えていないか
- 指を使うとき、全部を数え直していないか
- 似た問題でも毎回同じように時間がかかっていないか
声かけの例
- 「どこから数え始めると楽かな?」
- 「4のつづきから考えてみようか」
- 「全部を1からじゃなくて、ここから見てみよう」
ポイント2 答えは合っていても、形が変わると毎回重くなっていないか
計算が遅い子の中には、考え方がないわけではなく、問題の形が少し変わるたびに毎回負担がかかっている子がいます。
たとえば、
- 3+2 はできるけれど 2+3 でまた止まる
- 同じような問題でも、毎回初めてのように考える
- 大きい数が先に来ると手が止まる
という様子です。
この場合は、答えが合っていても、数の見え方や手順の処理がまだ安定していないことがあります。
家で見たいこと
- 順番が変わると急に止まらないか
- 特定の形だけ極端に遅くないか
- 「前にもやった形」とつながっていない感じがないか
声かけの例
- 「前に見た形と似てるかな?」
- 「順番が変わっても同じかな?」
- 「こっちから見ても同じになりそうかな?」
ポイント3 遅いときの様子を分けて見る
同じ『遅い』でも、落ち着いて確認しているのか、同じ手順を何度もやり直しているのか、問題の形が変わったところで止まるのかで、見たいことは変わります。性格で分けるより、実際にどこで時間を使っているかを見ます。
落ち着いて確認しながら進めているとき
- 表情は落ち着いている
- 時間はかかるが、手順は一応つながっている
- 声をかけると整理しやすい
負担が大きそうな様子があるとき
- 止まる時間が長い
- 何度もやり直す
- 指を使わずに考えようとすると手が止まる
- 問題数が増えるとかなり疲れる
後者の場合は、ただ丁寧なだけではなく、今のやり方に負担がかかりすぎている可能性があります。
家で見たいこと
- 落ち着いて遅いのか、苦しそうに遅いのか
- 問題数が増えたときに時間が伸びているか
- 答えを出したあと、同じ数を何度も数え直しているか
声かけの例
- 「急がなくて大丈夫。どこで迷ったか見てみよう」
- 「やり方は合っていそうかな?」
- 「苦しくなっていないか、少し見てみよう」
速さを求める前に、今のやり方を確認する
計算が遅いと、つい
- タイムをはかる
- もっと速くと急かす
- とにかく問題数を増やす
- 指をすぐにやめさせる
といった対応をしたくなることがあります。
タイムを測ること自体が悪いわけではありません。ただ、毎回1から数えている子に先に速さだけを求めても、使っている方法は変わりません。まず一問だけ見て、どこに時間を使っているのかを確かめます。
家ではどう進めるとよいですか
確認するなら、次の順で見ます。
- まずはどんな遅さかを見る
- 毎回1から数えているのか、形の変化で止まるのか、苦しさが強いのかを考える
- 必要なら問題数をしぼる
- 声かけを変えながら、見方を少し整える
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