音読はすらすら進む。どんな話だったかも、大まかには話せる。でも、「本文と合っているものを選びましょう」になると、なかなか決まらない。
そんなとき、「もう一回ちゃんと読んで」と、最初から全部読み直してもらうだけでは、見る場所が変わらないことがあります。
今回は、短い文章と三つの選択肢を使って、どの言葉を、本文のどこと比べるかを整理します。国語全体の得意・不得意を決めるための問題ではありません。家で一問を見直すときの、具体的な進め方です。
まず、何を選ぶ問題かを一緒に見ます
選択肢を読む前に、問いを確認します。「合っているもの」なのか、「合っていないもの」なのか。「一つ」なのか、「二つ」なのか。ここが変わると、選ぶ答えも変わります。
今回の問いは、次の形です。
本文と合っているものを、一つ選びましょう。
子どもが問いの意味で止まったら、「書いてあるお話と、内容が合う文を一つ探そう」と短く言い換えます。すぐに答えを選ばせず、何をする問題かをそろえるところから始めてよいと思います。
練習は、この二文だけでできます
以下は、説明のために作った例文です。実際の相談や授業を再現したものではありません。画面のまま読んでも、大人が紙に書いても使えます。
本文
雨がやんだので、あおいさんは庭に出ました。花の上にいたちょうを見つけ、しばらく動かずに見ていました。
選択肢
- ア:あおいさんは、雨がやむ前に庭に出て、ちょうを見ていました。
- イ:あおいさんは、雨がやんだあと、庭でちょうを見ていました。
- ウ:あおいさんは、毎日、庭でちょうを見ていました。
正解はイです。ただ、最初から正解を伝えて終えるより、子どもがどの言葉を見て選んだかを一つ聞いてみます。
「どのところが、お話と合っていると思った?」
「ちょうが出てくるから」と答えたら、その言葉に目が向いたことは受け取ります。そのうえで、三つとも「ちょう」が出てくることを一緒に見ます。同じ言葉があるところから、内容を比べるところへ進むわけです。
イを、短いまとまりに分けて本文へ戻します
選択肢を一息に読み切って、合うかどうかを決めようとすると、途中の言葉を見落とすことがあります。まずイを、次のように分けます。
あおいさんは/雨がやんだあと/庭で/ちょうを見ていました。
本文は見える場所に残したままです。覚えて答える問題にはしません。
「雨がやんだあと」は、本文の「雨がやんだので、あおいさんは庭に出ました」と対応します。「庭で」は、庭に出たという場面。「ちょうを見ていました」は、二文目に書かれた行動です。
大人がすべて線を引くより、まず一つだけ尋ねます。
「雨がやんだあとだと分かるのは、本文のどこかな?」
指で示せたら、「そこだね」と受け取り、次の「庭で」を確かめます。説明する言葉が出なくても、本文と選択肢を交互に指せれば、どこをつないだかが見えます。
アは、「前」と「あと」を比べます
アにも「あおいさん」「庭」「ちょう」があります。そのため、見覚えのある言葉だけで決めると、選びたくなるかもしれません。
ここで比べるのは、庭に出た順番です。
- 本文:雨がやむ → 庭に出る。
- ア:庭に出る → 雨がやむ。
紙の端にこの二つを書いて、指で順にたどっても構いません。
「お話では、先に起きたのはどっちだった?」
「雨がやんだ」と言えたら、アの「雨がやむ前に」と並べます。庭に出たと書いてあることは合っていますが、その前後が本文と合いません。
一つ違うところを確かめたら、アの文を全部書き直す必要はありません。「前とあとが違ったね」と、今回見る場所を言葉にして残します。

ウの「毎日」は、この本文からは分かりません
ウは、雨について書いていません。「庭でちょうを見ていた」という部分だけを見ると、本文と似ています。
そこで、「毎日」のところを確かめます。
「毎日見ていたと分かるところは、この二文の中にあるかな?」
本文にあるのは、雨がやんだあと、庭でちょうを見ていた場面です。毎日そうしていたかどうかは、この二文からは分かりません。そのため、ウを「本文と合っているもの」として選ぶ根拠にはできません。
ここは、「毎日見ていたはずがない」と決めるところではないんですね。実際にありそうかどうかと、今の文章を読んで分かることを分けます。
子どもが「ちょうが好きなら毎日見るかも」と話したら、「そういうことも考えられるね。今の問いでは、書いてあるお話から確かめられる方を選ぼう」と返せます。思いついたことを否定せず、問題で使う手がかりへ戻します。
本文と違う言い方でも、内容が合うことはあります
ここまで読むと、「本文と違う言葉を探せばよい」と感じるかもしれません。ただ、それだけで選ぶ方法にはしないでおきたいです。
今回のイには「雨がやんだあと」とありますが、本文にこの言い方がそのまま出てくるわけではありません。それでも、書かれている出来事の順番は合っています。
大切なのは、文字が同じかどうかに加えて、言っている内容が合っているかです。「毎日」「必ず」なども、それだけで間違いと決まる言葉ではありません。本文にそう分かる説明があれば、合うこともあります。
また、登場人物の気持ちを考える問いでは、行動や会話などを手がかりに考える場合があります。この記事では、まず書かれた出来事を照らし合わせる一問に絞っています。どんな読解問題にも、同じ手順だけを当てはめるわけではありません。
止まった場所に合わせて、手助けを変えます
本文のどこへ戻るか分からない場合は、最初の一文だけを指します。「雨について書いてあるのはここだね」と、探す範囲を狭めます。大人が場所を示したあとで比べられたなら、「場所を教えると比べられた」と捉えます。
知らない言葉で止まる場合は、その言葉を短く確かめます。たとえば「やむ」が分からなければ、「雨が降るのが止まった、ということだよ」と説明してから、同じ一文へ戻ります。言葉の意味を知らないまま、選択肢を何度も比べさせなくてよいと思います。
三つを同時に見ると迷う場合は、紙などで一部を隠し、本文と選択肢を一つずつ比べます。ここではイとアだけを見て、「あと」と「前」の違いを確かめるところからでも大丈夫です。
口では言えるのに、理由を書こうとすると止まる場合は、指さしで終えて構いません。今日見たいのが本文との対応なら、理由を整った文章にすることまで一度に求めなくてよいわけです。
学校の問題へ戻るときも、一問だけ選びます
手元の問題で試すなら、本文・問い・自分が選んだ答えが見えるように並べます。間違えた問題をまとめて開くより、一問だけに絞ります。
まず、子どもが選んだ選択肢を短いまとまりに区切ります。そのうち一つについて、「どこを見てそう思った?」と聞きます。言葉が出なければ、本文を指してもらいます。
本文へ戻れたら、答え全体をすぐ評価する前に、つながった部分を確認します。「ここは合っているね。では、この『いつも』はどうかな」と、一つずつ進めます。
大人も根拠の場所が分からないときは、解説を一緒に見て構いません。解説が挙げた場所を本文で確かめ、それでも判断が難しければ、その問題には印をつけて学校や塾で確認します。その場で無理に理由を作る必要はありません。
最後は、答えを覚えたかより、戻れた場所を残します
一問を見直したあとに、もう一度最初から説明させなくても大丈夫です。
「『前』と『あと』を本文で比べられた」
「『毎日』まで書いてあるかを一緒に探した」
次に残すなら、このくらいのメモで構いません。「国語が苦手」よりも、何を手伝ったかが分かる言葉にしておくと、次回の始め方を選べます。
返事が短くなり、紙を見るのもつらそうなら、その日は途中で休みます。「今日は雨のところを見つけたね」と、大人が確かめたことを一つ言って終える方法もあります。
読解の見直しで、まず見る場所を広く整理したい場合は、読解問題で止まる子にまず見てほしいことも参考にしてください。今回の二文は、その中の「本文へ戻る」を実際に試すための無料の練習例として使えます。
参考:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」「C 読むこと」。本文の内容を手がかりに読むという考え方を踏まえ、例文・選択肢・声かけはKOTOBARIで作成した家庭向けの提案です。

