鉛筆で数行書いただけなのに、「手が疲れた」「もう書きたくない」と止まる。低学年では、文字の形を覚えることとは別に、鉛筆を持って動かすこと自体が負担になっている場合があります。
このとき、すぐに「もっと書けば慣れる」と量を増やすより、どこで余計な力を使っているかを分けて見ます。
まず、何分で疲れるかより「どこに力が入っているか」を見る
同じ5分でも、軽く鉛筆を動かしている子と、指先を強く固めている子では負担が違います。
- 親指が人差し指の上へかぶる
- 鉛筆を芯のすぐ近くで強くつまむ
- 指の関節が白くなるほど握る
- 肩まで上がっている
- 紙を押さえる手がほとんど使えていない
まずは「何分書けたか」より、こうした様子が増えていないかを見ます。
1.鉛筆を強く握りすぎていないか
鉛筆が滑る、線が薄い、うまく動かしにくい場面で握る力が強くなっているなら、太さや濃さを一つ変えて同じくらいの量を書き、握り方や疲れ方が変わるか比べます。握る力が強い原因を鉛筆だけに決めつけないようにします。
太軸や三角軸の鉛筆は、持つ場所を分かりやすくし、指先だけで強くつままなくても支えやすくなる場合があります。ただし、全員に太軸が必要なわけではありません。
2.鉛筆の濃さが合っているか
線が薄く、濃く書こうとして強く押している場合は、今より濃い芯を試す方法があります。
反対に、濃い芯で強く押し込みすぎて線が太くなりすぎる子では、一段硬い鉛筆の方が扱いやすいこともあります。
「低学年だから必ず2B」「幼児だから必ず6B」ではなく、弱い力でも必要な線が出るかを基準にします。
3.芯先が尖りすぎていないか
細い芯先のときだけ書き出しで引っかかる、芯を気にして動きが小さくなる、握る力が強く見えるといった変化があるなら、芯先を一段太くして比べてみます。
芯が何度も折れる、すぐ削り直す、書き始めだけ力む場合は、芯先を少し太めにして変化を見る方法があります。
4.下敷きの摩擦が合っているか
鉛筆が紙の上を滑りすぎると、止めたい場所で止めるために強く握る子がいます。反対に、摩擦が強すぎる下敷きでは、計算など速く書きたい場面で動かしにくくなることがあります。
一般的な硬い下敷きで困っていなければ、そのままで構いません。滑りすぎる場合だけ、ザラザラ・ソフト系を試します。
5.紙と体の位置を一度整える
鉛筆を変えても疲れ方があまり変わらないときは、紙の位置、机と椅子の高さ、反対の手の使い方も見ます。位置を一つ変えたあと、同じ一文字や短い文を書いて、肩や腕の動き・疲れ方が変わるか比べます。
家庭では、難しい姿勢矯正から始めず、次の3つだけ確認します。
- 紙を体の正面付近へ置く
- 反対の手で紙を押さえる
- 肩を上げずに肘を机の近くで動かせる位置にする
一度位置を変えたら、同じ一文字や短い文だけ書いて比べます。
一度に全部変えない
鉛筆、持ち方補助具、下敷き、机の高さを一度に全部変えると、何が効いたのか分からなくなります。
KOTOBARIでは、まず一つだけ変えて短く試します。
- 今の状態で一文字・一行書く
- 鉛筆の濃さ、太さ、芯先、下敷きなどを一つだけ変える
- 同じくらいの量を書いて比べる
- 楽そうなら残す。変わらなければ戻す
書く量を増やす前に、負担を減らす
書字練習では「10回書く」ことが目標になりがちですが、毎回強く握って10回書けば、疲れる持ち方を繰り返すことにもなります。
まず一文字を無理なく書ける状態を作り、そのあとで必要な回数へ増やします。
ひらがなの形や書き順そのもので止まっている場合は、道具とは分けて書字練習を考えます。
KOTOBARIで見る順番
- 握る力が強すぎないか
- 鉛筆の濃さ・太さが合っているか
- 芯先が細すぎないか
- 下敷きが滑りすぎ・引っかかりすぎになっていないか
- 紙と体の位置を整える
- 一文字・一行で比べてから量を増やす
強い痛み、しびれ、腫れなどが続く場合は、家庭学習の道具選びだけで判断せず、医療機関など専門家へ相談してください。
