「1と9、2と8、3と7……」は言える。でも、「6といくつで10?」と聞くと、また最初から言い直す。
順番なら答えられるのに、出し方が変わると止まる。こういうとき、練習が足りないと決める前に、何を手がかりに答えているかを見たいですね。
順番を覚えることも一つの入口です。ただ、順番をたどれることと、6を見て4との組を思い浮かべることは、同じではありません。
今回は、KOTOBARIの無料プリントNo.5・6・7を使い分けるときの見方を整理します。

まず「6と4」の一組を、見える形にします
紙に四角を横5個、縦2段で描き、10個の部屋を作ります。上の段の5個と、下の段の左端1個に丸を描いてください。丸のある部屋は6個、空いている部屋は4個です。
「丸が6個あるね。全部の部屋をうめるには、あといくついる?」
すぐ答えなくても、空いている部屋を数えて構いません。「6と4で10」が、言葉の順番だけでなく、丸6個と空き4個に対応しているかを見ます。
答えを聞いたあとに急いで次へ進まず、「どこを見たの?」と聞いてみてください。空きを指さす、指で数える、最初から組を唱える。答えが4でも、その途中は違います。

最初から言い直している間は、少し待ちます
「6といくつ?」に対して「1と9、2と8……」と始まると、途中で「6の相手だけでいいよ」と言いたくなるかもしれません。でも、その順番が今使っている手がかりなら、まずは最後までたどる様子を見ます。
そこで4まで行き着いたら、もう一度最初から唱えさせる必要はありません。紙の6個と空いている4個を指して、「今見つけたのは、この組だね」と合わせます。唱えた言葉と、目の前の数をつなぐわけです。
一方、唱えている途中で何を聞かれたか分からなくなったら、質問を増やすより、紙へ戻します。
「今は6の相手を探していたね。この空いているところを見ようか」
答えを出すまでの時間だけでは、何が起きたか分かりません。順番をたどっていたのか、聞かれた数を忘れたのか、空きを数えようとしていたのか。見えた範囲のことを、一つ拾えれば十分です。
No.5は、順番の中で組を見つける練習です
無料プリントのNo.5「10づくり①(じゅんばん)」は、順番に並んだ数で10を作る練習です。
ここが進むなら、「順番のある形では取り組めた」と捉えます。この一枚だけで、どの順序でも使えると決める必要はありません。
一方で、「順番でしか言えないから意味がない」とするのも違うと思います。次に確認する場所が分かった、と考えれば十分です。
No.6に進んだら、止まった組だけを見ます
No.6「10づくり②(ランダム)」では、数がばらばらの順番で出ます。No.5から変わったのは、主に数の並び方です。
急に手が止まっても、最初からすべて覚え直す話にはしません。たとえば6と4で止まったら、先ほどの10個の部屋に戻ります。
「さっき6個の丸を置いたら、空いているところは4個だったね。もう一度、そこだけ見ようか」
図を見て分かったあとで、同じ一組を数字で確かめます。さらに別の数へ移るかどうかは、そのときの様子で決めます。紙の残りを全部埋めることを、その日の目標にしなくても大丈夫です。
No.7で止まるなら、空欄の位置を見ます
No.7「10づくり③(虫食い左右)」は、空いているところを埋めて10にする練習です。
たとえば「6と□で10」には答えられるのに、「□と6で10」では迷うことがあります。ここでは、数の組に加えて、どこへ答えを書くかも見ます。
「もう書いてある数はどれ?」
「まだ分からない数を入れる部屋はどこ?」
先に空欄を指さしてから数を考えると、問題の形で迷っているのか、10の組で迷っているのかを分けやすくなります。
「順番を逆にしただけなのに」と急がず、6と4を図の上で確かめ、その4をどちらの空欄へ入れるかまでつなげます。
口では4と言えるのに、書くところで止まる場合
数の答えと、紙に書く動作をいったん分けてみます。「答えは何?」で4と言えたら、「4を書くところを指さしてみて」と聞きます。場所が分かってから書く、という順番です。
空欄を指させるのに数字の形で迷うなら、別の紙に大人が4を書き、それを見ながら書いても構いません。今回見たいのが10の組なら、数字の書き方まで一度に確かめなくてよいと思います。
逆に、空欄の位置は分かるけれど相手の数が出ないなら、書く練習を増やすより、6個と空き4個の図へ戻ります。同じ「手が止まる」でも、戻る場所が違うんですね。
3枚の使い分けを、簡単にまとめると
| プリント | 見たいところ | 止まったときの一手 |
|---|---|---|
| No.5 じゅんばん | 順番を手がかりに10になる組を見つける | 一組を10個の部屋で確かめる |
| No.6 ランダム | ばらばらの数でも、その数の相手を探す | 止まった組だけ図へ戻る |
| No.7 虫食い左右 | 数の組と、空欄の場所を対応させる | 分かる数と空欄を指さす |
実際に使うときは、10づくり無料プリント20枚のページの「ステップ3:10づくり」から、問題と答えを選んでください。初めて使う場合の入口や、前の段階に戻る案内も同じページにあります。
絵を見ながら10になる組を確かめたい場合は、No.4「10のおへや(絵つき)」を使えます。数字どうしを線で結んで相手を探すなら、No.3も選べます。時間をはかる必要はありません。
一度に変えるのは、一つにしてみます
順番を変えた日に、図も隠して、空欄も左にして、さらに速さを求める。それだと、どこが難しかったのか分かりにくくなります。
たとえば今日は6と4だけを使い、最初は図を見せたまま「6といくつ?」と聞きます。次も同じ図を残して、今度は「□と6で10」の空欄を指してみます。この二つで様子が変わったなら、数の組を知っているかに加えて、問題の形を見る手助けが必要かもしれません。
反対に、図があればどちらも進むのに、図を外すと止まる場合は、その日に図をなくし切ることを目標にしません。「見たいときに戻れる紙」として横に置きます。
別の日に確かめるときも、前の続きから大量に出す必要はありません。「この前の6と4を一つ見ようか」と始め、余裕があれば7と3も扱う。そのくらいの小さな変え方なら、前回と何が違うかを見やすいです。
「正解したか」に、もう一つだけ足します
記録するなら、「6と4、図を見て答えた」のような短い言葉で構いません。次の例は、家庭でメモするときの記入例です。
- 6と4:空きを数えて答えた。
- 7と3:数字だけで答えた。
- 左に空欄がある問題:空欄を指さすと書けた。
一枚の正解数だけよりも、次にどこを助ければよいかが見えてきます。次回は同じように取り組めない日もありますから、一回の結果だけで決め切らなくてよいと思います。
プリントを選ぶところから記録まで一緒に使いたい場合は、保護者用「10づくり」見取り・実行セットに、ルート選びと7回分の記録用紙をまとめています。PDF12ページ・500円で、無料見本3ページも確認できます。
まずは無料の一枚からで大丈夫です。順番が変わったら止まった。その情報を、次の練習選びに使っていきたいですね。
参考:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第1学年「数の構成と表し方」。この記事のプリント選択例はKOTOBARIでの使い方の提案です。
この記事で使う無料プリント
今の様子に合う一枚を選んで使えます。リンクからPDFを開けます。
