「何回も書いたのに、次の日にはもう忘れている」
「読めるのに書けない」
「漢字の宿題になると、急にやる気がなくなる」
小学生の家庭学習を見ていると、漢字でつまずく子はとても多いです。保護者としては、「こんなに練習しているのに、どうして覚えられないのだろう」と感じることもあると思います。
ですが、漢字が覚えられない子は、努力不足というより、覚え方が合っていないことが多いです。いきなり何回も書かせるだけでは、頭に入りにくい子もいます。特に、形をよく見ないまま写している子や、読むことと書くことがまだつながっていない子は、量を増やしても苦しくなりやすいです。
家庭では、最初から完璧を目指すより、覚えやすい順番で練習することが大切です。ここでは、漢字が覚えにくい子によくあるつまずきと、家庭で進めやすいステップ式の練習法を整理します。
漢字が覚えにくい子によくあるつまずき
1. 形をよく見ないまま書いている
漢字が苦手な子の中には、見本を見ているようで、実は全体の雰囲気だけで書いている子がいます。そのため、はね・はらい・止める位置などがあいまいになり、何回書いても同じところで崩れやすくなります。
このタイプの子には、「もっと書こう」より先に、「どこを見ればいいか」をはっきりさせることが大切です。
2. 読みと書きがつながっていない
漢字は読めるけれど書けない、という子は少なくありません。これは珍しいことではなく、読む力と書く力がまだ別々の状態だからです。頭の中で音はわかっていても、形として取り出せないため、宿題になると止まりやすくなります。
3. 最初から量が多すぎて疲れている
漢字練習は、どうしても「何回も書く」形になりやすいです。ですが、苦手な子ほど最初から何行も書かされると、途中で雑になりやすく、覚えるより「しんどい」が先に残ります。漢字が嫌いになる子は、この流れが多いです。
家庭でやりやすいステップ式練習法
ステップ1 まず読めるかを確認する
いきなり書かせる前に、まずその漢字が読めるか、どんな意味で使うかがわかっているかを見ます。音だけでなく、言葉の中でわかっていると、覚えやすくなります。
たとえば、
「この漢字、何て読む?」
「どんな言葉で使うかな?」
と軽く聞いてみるだけでも十分です。
ステップ2 見本を見て、形のポイントを絞る
次に、ただ写すのではなく、「どこを気をつける字なのか」を一つか二つに絞って見ます。
「ここが長いね」
「この線はまっすぐだね」
「この字は左が小さめだね」
というように、見るポイントを先に言葉にしてから書くと、意識しやすくなります。全部を直そうとすると苦しくなるので、最初はポイントを絞るのが大切です。
ステップ3 少ない回数で丁寧に書く
漢字が苦手な子ほど、最初は回数を増やしすぎない方がうまくいきます。三回でもよいので、見ながら丁寧に書く方が、十回雑に書くより残りやすいです。
家庭では、
「今日は三回だけ丁寧に書こう」
「一番きれいに書けた一回を作ろう」
くらいの方が続きやすいです。
ステップ4 少し時間をあけて思い出す
書いた直後はできても、少し時間がたつと抜けることがあります。そこで、その場で何回も続けるより、少し時間をあけてもう一度書いてみる方が定着しやすいです。
たとえば、
「夜にもう一回だけ見よう」
「明日最初に一文字だけ書いてみよう」
とするだけでも、覚え方が変わってきます。
声かけで気をつけたいこと
「何回も書きなさい」だけにしない
保護者としては、覚えてほしい気持ちから「もっと書いて」と言いたくなります。ですが、子どもによっては、それだけだと何を意識すればよいかわからないまま、ただ回数だけ増えてしまいます。
「どこを見ればよさそう?」
「今日はこの形だけ気をつけよう」
と、見るポイントを一緒に整理する方が、入りやすい子は多いです。
できたところを小さく認める
漢字練習では、つい間違いばかり目につきます。ですが、
「ここは前より整っているね」
「今日はよく見て書けたね」
「この一文字は自分で思い出せたね」
と、小さな前進を言葉にすると、子どもも取り組みやすくなります。
まとめ
漢字が覚えられない子には、「形をよく見られていない」「読みと書きがつながっていない」「量が多すぎて疲れている」といったつまずきがよくあります。だからこそ、最初から何回も書かせるより、読めるかを確認し、形のポイントを絞り、少ない回数で丁寧に書く流れの方が合いやすいです。
家庭では、量で押すより、覚えやすい順番を作ることが大切です。うまくいかないときほど、「もっと書かせる」前に、「どこで止まっているか」を見て、少しやり方を変えてみてください。
