問題の前で手が止まっているのに、「できる」と答える。見本は写せても、数字が変わると進めない。そんなときは、返事と手元の動きを分けて見ます。
「わからない」と言わなくても、鉛筆が止まる、答えを書いて消す、こちらの顔を見る、別の話を始めるなど、止まり方は子どもによって違います。どこがわからないのか、自分でもまだ言葉にできないことがあります。
言えない子どもに出るサイン3つ
1. 手が止まるのに、「できる」と言う
鉛筆を持ったまま動かず、同じ問題を見ているのに、「できそう?」と聞くと「できる」と答えることがあります。考えている途中なのか、どこかで止まっているのかは、返事だけでは分かりません。
このとき大事なのは、返事だけで判断しないことです。言葉では「できる」と言っていても、手元は止まっている。そのズレがあるときは、困っているサインかもしれません。
2. 急に雑になる、ふざける、別のことを始める
さっきまで普通にやっていたのに、急に字が雑になる。関係ない話を始める。消しゴムをいじる。席を立つ。こうした変化が出たときは、集中の問題だけで片づけず、その直前の問題で止まっていなかったかも見ておきます。
ある一問で急に鉛筆が止まり、別の話を始めるなら、その問題のどこで止まったかを先に見ます。
3. まねはできるのに、自分では進めない
例を見れば何となくできる、前の問題と同じ形なら書ける。でも、少し数字や聞き方が変わると止まる。これも「言えない子」によくあるサインです。
見本と同じ形なら進めても、数字や聞き方が少し変わると止まることがあります。その場合は「理解していない」と決めるより、どの変更で止まったかを一問だけ変えて確かめます。見本があると進むのか、言葉で説明すると進むのかでも、次の支え方が変わります。
保護者ができる声かけと観察のコツ
「わからないの?」ではなく、「どこまでわかった?」と聞く
「わからないの?」と聞かれると、子どもによっては責められているように感じます。また、「全部わからない」と認めるようで言いにくい子もいます。
そんなときは、
「どこまでわかった?」
「どこまでは一人でできそう?」
と聞いてみてください。
答えにくそうなら、「ここまではできた?」と問題の一か所を指しても構いません。言葉で説明できるかと、実際に進められるかを別々に確かめます。
間違いそのものより、「どこで止まったか」を見る
家庭では、つい正解に早くたどり着かせたくなります。ですが、本当に見たいのは、どこで止まったかです。問題を読んだところで止まったのか、書き始める前に止まったのか、最初の一問はできたのに次で止まったのか。この違いで、困り方はかなり違います。
読み取りが難しいのか、考え方がわからないのか、書くこと自体が負担なのか。そこが見えると、声かけも変わってきます。
最初だけ一緒にやる
問題文を一緒に読む、最初の一問だけ示すなど、助けを一つ入れてみます。その後を自分で進められるなら、次も同じ助けを使えます。
「ここを一緒に読んでみようか」
「何を聞かれているかだけ見てみよう」
「一問目だけ一緒にやってみようか」
このくらいの支え方だと、助けてもらいやすく、その後を自分で進めるきっかけにもなります。
「言えたこと」をしっかり認める
もし子どもが少しでも「ここがわからない」「これで合ってる?」と言えたら、その内容だけでなく、言えたこと自体を大事にしてください。
「聞けてよかったね」
「そこを言ってくれたから助かったよ」
「わからないって言えたの、大事なことだよ」
「ここが分からない」と言えたら、その箇所を一緒に確かめます。次の問題でも同じところで止まるかを見ると、必要な助けを絞れます。
まとめ
子どもが「わからない」と言わないときは、返事だけで判断せず、どの問題で手が止まったか、見本があると進むか、少し条件を変えるとどうなるかを見ます。行動だけで原因を決めず、助け方を一つ変えたときの反応まで含めて考えます。
