「音読はできるのに、問題になると急に手が止まる」
「文章は読んでいるはずなのに、内容を聞くとあいまい」
「選択問題も記述問題も、何となく答えている感じがする」
小学生の国語を見ていると、こうした様子はよくあります。保護者としては、「読解が苦手なのかな」「もっと問題を解かせた方がいいのかな」と感じることも多いと思います。
ですが、読解問題で止まる子は、いきなり深く考える力が足りないとは限りません。実際には、その前の段階で止まっていることがとても多いです。文章の意味が十分に入っていない、問いの意味がつかめていない、どこを見て答えればよいかがわからない。こうしたところで止まっていると、問題数を増やしても苦しくなりやすいです。
家庭で大切なのは、「読解が苦手」とひとまとめにしないことです。どこで止まっているのかを見てあげると、関わり方はかなり変わります。ここでは、読解問題で止まる子にまず見てほしいポイントを整理します。
読解問題でよくあるつまずき
1. 文章は読めても、内容が頭の中でつながっていない
読解が苦手な子でも、音読は意外とできることがあります。すらすら読めるので、一見すると読めているように見えます。ですが、「どんな話だった?」と聞くと、返事がぼんやりしたり、場面の順番があいまいだったりします。
これは、読むことができないのではなく、読んだ内容が頭の中でつながっていない状態です。言葉を追うことと、意味をつかむことは別なので、ここで止まる子は少なくありません。
2. 問いの意味がつかめていない
読解問題では、文章だけでなく、設問の意味をつかむことも必要です。ところが苦手な子は、「どうしてそう思いましたか」「もっとも近いものを選びましょう」といった問いの言い方が十分に入っていないことがあります。
そのため、文章はある程度読めていても、「何を答える問題なのか」がずれてしまい、的外れな答えになりやすいです。
3. 答えを本文から探す感覚が弱い
読解問題は、自分の感想を書くものではなく、まず本文を手がかりに考えるものです。ですが、苦手な子は、本文に戻るより先に「何となくこうかな」と答えてしまうことがあります。
これは考える力がないというより、本文のどこを見れば答えにつながるかがまだわかっていない状態とも言えます。
家庭でまず見てほしいこと
「読めているか」より「つながっているか」を見る
家庭では、まず音読の上手さより、内容がつながっているかを見るのがおすすめです。
たとえば、
「誰の話だった?」
「最初に何があった?」
「最後はどうなった?」
と、簡単な流れを聞いてみるだけでも違います。
ここがあいまいなら、読解問題の前に、文章の流れをつかむところを支える方が先になります。
設問を一緒に言い換えてみる
問いの意味で止まる子には、そのまま答えさせるより、
「つまり何を聞かれているのかな」
「どこを書けばいいんだろうね」
と一緒に言い換えてみる方が入りやすいです。
たとえば「どうしてそう思いましたか」であれば、
「理由を書く問題だね」
と短く整理するだけでも、答えやすさが変わります。
本文のどこを見ればよいかを一緒に探す
「答えはどこかな」と聞くだけでは難しい子もいます。そんなときは、
「この言葉、問題にも出ているね」
「この場面の近くにありそうだね」
と、本文の中に手がかりがあることを一緒に確認していくのがおすすめです。
最初から一人で全部探させるより、本文に戻る習慣を少しずつ作る方が、後で安定しやすくなります。
家庭での声かけのコツ
いきなり正解を求めすぎない
読解問題では、すぐに正解を出させようとすると、子どもは焦りやすくなります。そんなときは、
「どのへんの話だった?」
「気になった言葉ある?」
と、答えそのものより、文章の中に目を向ける声かけの方が入りやすいです。
小さく言えたことを認める
「この場面かな」
「この言葉が気になった」
と少しでも本文をもとに言えたら、そこを認めてあげることが大切です。
「ちゃんと文を見て考えられたね」
「そこに戻れたのがよかったね」
と伝えると、子どもも読解問題への向かい方が少しずつ整っていきます。
まとめ
読解問題で止まる子は、考える力の前に、文章の流れがつながっていない、問いの意味がつかめていない、本文に戻って答えを探す感覚が弱い、といったところで止まっていることがよくあります。
家庭では、「読解が苦手」とまとめるより、どこで止まっているかを見ることが大切です。文章の流れを確認すること、設問を言い換えること、本文のどこを見ればよいかを一緒に探すことを意識してみてください。
読解問題は、たくさん解くだけで伸びるものではありません。まずは、文章と問いを落ち着いてつなげられること。その土台ができると、子どもは少しずつ自分で読んで考えられるようになっていきます。
