「計算問題はできるのに、文章題になると急に手が止まる」
「問題文を読ませても、何を聞かれているのかがつかめていない」
「とりあえず数字を見つけて、何となく足したり引いたりしている」
小学生の算数を見ていると、こうした子はとても多いです。保護者としては、「計算はできているのに、どうして文章題になるとできないのだろう」と不思議に感じることもあると思います。
ですが、文章題が苦手な子は、算数そのものが苦手とは限りません。実際には、問題文の読み取り、場面のイメージ、何を求めるのかを整理する力など、計算とは別のところで止まっていることが多いです。そこを見ずに「もっと計算をやろう」と進めても、なかなか改善しないことがあります。
家庭で大切なのは、答えが合ったかどうかだけを見ることではありません。文章題でどこで止まっているのかを見て、その子に合う支え方を考えることです。ここでは、文章題が苦手な子にまず見てほしいポイントを整理します。
文章題が苦手な子によくあるつまずき
1. 問題文を読んでも、場面が頭に浮かんでいない
文章題では、数字だけでなく、何が起きているかを頭の中でつかむことが必要です。ところが苦手な子は、文を読んでいても、場面がまだはっきり浮かんでいないことがあります。
たとえば、「あめが8こありました。3こあげました。のこりはいくつですか。」という問題でも、「持っていたものが減った」という流れが見えていないと、足し算か引き算かがあいまいになりやすいです。
このタイプの子は、文章を読めているようで、実は意味がつながっていないことがあります。
2. 数字だけを拾って式を作ろうとする
文章題が苦手な子の中には、とにかく数字を見つけて、何かの計算をしようとする子がいます。これは、どう考えればよいかわからないときによく出る反応です。
8と3が出てきたから、何となく足す。
12と5が出てきたから、とりあえず引く。
こうしたやり方だと、たまたま合うこともありますが、少し問題の形が変わるとすぐに止まりやすくなります。
3. 何を答える問題かがつかめていない
文章題では、最後に何を聞かれているかを見ることが大切です。ですが、苦手な子は、問題の途中までは読んでいても、「それで何を答えればいいのか」が頭に残っていないことがあります。
そのため、式は合っていても答え方がずれたり、聞かれていないことを書いたりすることがあります。これは注意不足というより、問題全体を整理する力がまだ育っている途中とも言えます。
家庭でまず見てほしいこと
計算が苦手なのか、読み取りで止まっているのかを分ける
文章題でつまずくと、すぐに「算数が苦手」と感じやすいです。ですが、本当に見たいのは、どこで止まっているかです。
- 問題文の意味がつかめないのか
- 何を聞かれているかがわからないのか
- 計算方法の判断で迷うのか
- 計算そのものが不安定なのか
この違いが見えるだけで、関わり方はかなり変わります。家庭では、まず「この子は文章題のどこで止まっているのかな」と見るのがおすすめです。
式を急がせる前に、「どんな話だった?」を確認する
文章題を見ると、つい「式は?」「答えは?」と聞きたくなります。ですが、苦手な子ほど、そこを急がない方がうまくいくことがあります。
まずは、
「どんな話だった?」
「増えたの?減ったの?」
「最後に何を聞かれていた?」
と、場面や流れを言葉にさせてみてください。
ここが言えない状態で式だけ立てようとすると、数字拾いになりやすいです。
絵や図にしてよい
文章題が苦手な子にとって、頭の中だけで整理するのは負担が大きいことがあります。そんなときは、簡単な丸や線でもよいので、図にしてみると入りやすくなります。
あめが8こあるなら、丸を8こ書く。
3こあげたなら、3こ消してみる。
このくらいでも十分です。式にいく前に、場面が見えることの方が大切なことも多いです。
家庭での声かけのコツ
「何算?」より「どうなった?」と聞く
文章題でいきなり「これ何算?」と聞かれると、子どもによっては考えにくくなります。そんなときは、
「何がどうなった話かな?」
「増えたのかな、減ったのかな?」
と、場面から考えやすい聞き方にした方が入りやすいです。
合っていても、考え方を軽く確認する
答えが合っていると、そのまま通り過ぎたくなります。ですが、文章題では、たまたま正解していることもあります。
「どう考えたの?」
「どの言葉でそう思ったの?」
と軽く聞いてみると、その子が本当に理解しているかが見えやすくなります。
まとめ
文章題が苦手な子は、計算力の前に、場面の読み取り、数字の意味づけ、何を答えるかの整理で止まっていることがよくあります。だからこそ、すぐに式を立てさせるより、まず「どんな話だったか」をつかめているかを見ることが大切です。
家庭では、計算の苦手と読み取りの苦手を分けて見ること、式を急がせる前に場面を言葉にさせること、必要なら絵や図を使うことを意識してみてください。
文章題は、たくさん解かせる前に、どこで止まっているかを見るだけでも支え方が変わります。うまくいかないときほど、「何算か」より先に、「この子はこの話をどう見ているかな」と見るところから始めてみてください。
