小学校1年生の家庭学習を見ていると、
- 何度も同じところで止まる
- 答えは合っているのに妙に時間がかかる
- 分かっているはずなのに、また同じところで迷う
といったことがあります。
そんなとき、
「うちの子は勉強が苦手なのでは」
「理解が遅いのでは」
と不安になることがありますよね。
でも、現役塾講師としてお伝えしたいのは、“できない”ように見える子の中には、実は“見落としているだけ”の子も少なくないということです。
勉強そのものが難しすぎるというより、
- 記号を見落としている
- 問題文の最後まで見られていない
- どこを見ればいいか分からず止まっている
といったことが重なると、「できない」に見えやすくなります。
だからこそ、すぐに能力の問題と決める前に、何を見落としているのかを見てあげることが大切です。
「できない」ではなく「拾えていない」ことがあります
小1では、考える力そのものより前に、
- 見る
- 読む
- 写す
- 順番に追う
といった基本の動きがまだ安定していないことがあります。
そのため、本当は考える力がないのではなく、問題を受け取る段階で取りこぼしていることがあります。
ここを全部まとめて「苦手」と見てしまうと、子どもの今の状態は見えにくくなります。
ポイント1 記号や数字を見落としていないか
意外と多いのが、計算そのものより、記号や数字の見落としです。
たとえば、
- +と-を見間違える
- 数字を書き写すときに抜ける
- 小さい違いに気づきにくい
ということがあります。
この場合、答えだけを見ると「また間違えた」に見えますが、実際には考え方以前のところで止まっています。
家で見たいこと
- 計算ミスより、見間違いが多くないか
- 写し間違いが続いていないか
- 落ち着いて見れば直せることが多いか
声かけの例
- 「もう一回、記号を見てみよう」
- 「数字は同じかな?」
- 「計算の前に、問題をゆっくり見てみよう」
ポイント2 何を聞かれているかが最後まで見えているか
問題文で止まる子の中には、意味が分からないというより、最後まで見ずに答えようとしている子がいます。
たとえば、
- 途中の数字だけ見て式を立てる
- 「ぜんぶで」「のこり」「ちがい」などを拾いきれない
- 最後に何を答える問題かがぼやける
ということがあります。
これは、文章題だけでなく、短い指示文でも起こりやすいです。
家で見たいこと
- 問題文の最後まで見ているか
- 何を答えるかを言葉で言えるか
- 数字だけ先に拾っていないか
声かけの例
- 「最後に何を聞かれているかな?」
- 「何を答える問題かな?」
- 「数字だけじゃなくて、お話を見てみよう」
ポイント3 考える前に、手順のところで止まっていないか
「できない」と見える子の中には、考える力そのものより、手順を追うところで負担が大きい子がいます。
たとえば、
- どこから始めるかで止まる
- 1つ考えているうちに前を忘れる
- 書く、消す、写すで疲れる
- 順番が変わると急に混乱する
ということがあります。
この場合は、理解がないというより、処理が重くて苦しいことがあります。
家で見たいこと
- 問題を見た直後に止まるのか
- 考える前に手が止まるのか
- 1問ごとにかなり消耗していないか
声かけの例
- 「最初に何をするか見てみよう」
- 「1つずつで大丈夫」
- 「ここだけ先に見ようか」
こんな見方は苦しくなりやすいです
不安になると、つい
- また間違えた
- なんで見ないの?
- ちゃんと読んで
- 前も言ったよね
という言葉が増えやすくなります。
でも、見落としが多い子にとっては、責められることでさらに焦りやすくなり、余計に拾えなくなることがあります。
大切なのは、
「またできなかった」と見ることより、「どこを拾いきれていないか」を見ることです。
家ではどう見ていくとよいですか
おすすめは、次の順番です。
- まずは間違いの中身を見る
- 計算そのものより、見落としや取りこぼしがないか考える
- 必要なら、問題を読む・記号を見る・最後まで確認する流れを一緒に整える
- 一度に全部直そうとせず、その日いちばん気になるところを1つだけ見る
ここで大切なのは、
能力の問題にする前に、受け取り方の問題がないかを見ることです。
まとめ
「勉強ができないのでは」と感じたときは、次の3つを見ておくと整理しやすいです。
- 記号や数字を見落としていないか
- 何を聞かれているかを最後まで見られているか
- 考える前に、手順のところで止まっていないか
小1では、理解の問題に見えても、実は見落としや取りこぼしが重なっていることがよくあります。
だからこそ、焦って結論を出す前に、
何を拾いきれていないのかを見つけること
がとても大切です。
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