洗濯ばさみ|1歳半ごろからの『つまむ・はさむ』お仕事

家庭で準備する手順と 子どもの動きの見方

指で押すと先が開き、力をゆるめると閉じる。洗濯ばさみのお仕事では、この動きを繰り返しながら、開いた先を縁に合わせていきます。初めは洗濯ばさみを2個だけ用意し、大人がつけたものを「外す」ところから始めてみましょう。

数字を読んだり、同じ色を探したりする課題を最初から加える必要はありません。まず見たいのは、道具を開けるか、開いたまま動かせるか、挟む位置で手をゆるめられるか。準備する物も、その動きが見えやすいものに絞ります。

本記事と付属の印刷台紙は、家庭での準備を具体化した制作案です。掲載する組み合わせでの実物試作・子どもによる使用確認はまだ行っていません。月齢や印刷寸法だけで安全・適合を判断せず、使用前に大人が実物を確認してください。

始める前に確かめたいこと

親指とほかの指でものをつまむ、道具の開閉を見たがる、縁へ何かを挟もうとする。こうした姿は、活動を考えるきっかけになります。ただし、興味があることと安全に扱えることは別々に確かめます。

洗濯ばさみや紙を口へ運ぶ時期には、この活動を出さずに待ちます。投げる、顔や髪、服や皮膚へ挟もうとする場合も中止します。大人がすぐ手を添えられる位置で見守れないときには行いません。日用品の洗濯ばさみは乳幼児用玩具とは限らず、商品の注意表示を優先します。

「何歳ならできる」と決めず、使う道具との組み合わせを見ます。大人には軽く開けても、子どもにとっては強すぎる場合があります。実際に痛がる、指を挟む、開けるたびに力む様子があれば、練習を続けず道具や活動を見直しましょう。

用意するもの

  • 洗濯ばさみ2個。初めは同じ形・同じ開閉感のものをそろえます。持つ部分が広く、先や側面に鋭い所がなく、部品がぐらつかないものを選びます。
  • 挟む物を1つ。まずは底が広く安定した浅いかごや箱の縁、または付属台紙を貼った厚紙を使います。厚紙版の作り方は次の節で説明します。
  • 外した洗濯ばさみを置く浅い容器。指が入りやすく、倒れにくいものを用意します。小さな飾りや磁石、ひもを加える必要はありません。
  • 必要なら、全体を載せるトレーや滑り止め。滑り止め自体がはがれたり、口へ運べる小片になったりしないかも確認します。

厚紙版には、A4の印刷紙、印刷紙の全面を貼れる大きさの厚紙、紙に適したのり、大人が使うはさみを用意します。のりや切れ端は子どもへ渡す前に片づけます。紙を貼らず、無地の厚紙やかごで始めてもかまいません。

屋外の物干しひもにはさんだ3個のプラスチック製洗濯ばさみ。
洗濯ばさみの形の一例です。今回の台紙と組み合わせた実物写真ではありません。活動に使う物は、持つ部分・ばね・挟む先の状態と、開閉のしやすさを実物で確認します。写真:Whitepixels/Wikimedia Commons(CC0 1.0)。

買う前と使う前の実物確認

大きさだけで選ばず、実際に「持つ」「押す」「開けたまま縁に近づける」「ゆるめる」を続けて試します。大きくて強い布団ばさみや、ばねの力を調節するための分解・改造は避けます。柔らかく開くものでも、皮膚を挟まない保証にはなりません。

大人が各個体を数回開閉し、ばねのずれ、割れ、欠け、木製品のささくれ、金属の露出やさび、接着された飾りの浮きを見ます。開閉中に部品が動く、引っ掛かる、飛び出しそうな物は使いません。

次に、実際の縁へ挟みます。開きが足りず押し広げなければ入らない、滑って飛び出す、紙だけがちぎれる、縁がつぶれる組み合わせは変更します。厚紙を何枚重ねるかも固定しません。印刷紙・厚紙・縁の保護を含めた厚みを、洗濯ばさみの開きとつまむ力に合わせます。

3種類の印刷台紙を選ぶ

無料の印刷用PDF

洗濯ばさみのはさむ台紙3種を無料ダウンロード(A4・4ページ)

保護者ガイド1ページと、うさぎ・はりねずみ・太陽の台紙3ページです。使う台紙をA4横・片面・100%で印刷し、厚紙へ全面貼りして乾かしてから、大人が大きな外枠だけを切ります。実物の洗濯ばさみとの適合を大人が確認してください。

付属PDFは、保護者用の説明1ページと、A4横向きの台紙3ページの計4ページです。台紙は「うさぎの耳」「はりねずみの背」「太陽の光」の3種類。洗濯ばさみを付けると絵の一部に見える白黒のオリジナル図です。一度に全部出さず、使う台紙を1枚選びます。

挟むと耳や光になる 3つの台紙うさぎ 2か所はりねずみ 4か所太陽 6か所完成イメージの説明図。まずは2個から。全部を埋める必要はありません。
独自図解:完成イメージの説明図です。実物写真ではありません。まずは2個から始め、全部の目印を埋める必要はありません。

目印は切り出した台紙の外周に直接接しています。内側に切り込みを入れる場所ではありません。印刷された幅や間隔は、挟む場所の手掛かりです。市販の洗濯ばさみの大きさ・開き・ばねの強さは製品ごとに異なるため、この図の寸法が実物への適合や安全を保証するものではありません。

うさぎの耳で始める

上辺の目印は2か所です。大人が2個を付け、まず外すところから始めます。挟む動きに進んだら、洗濯ばさみが耳のように見える変化を楽しめます。2個とも付けることや、目印にぴったり合わせることを求めなくて大丈夫です。

はりねずみの背へ広げる

上辺に4か所の目印があります。外す・挟むに慣れ、子どもが続けたがるときの選択肢です。まずは2か所だけ使い、必要に応じて個数を調整します。4か所全部に付ける課題にはしません。洗濯ばさみ同士が触れて操作を妨げる場合は、間隔を空けて使うか別の台紙へ戻します。

太陽の光は向きを変えて使う

丸い台紙の周囲に6か所の目印があります。これは任意の発展用で、初めは2個だけでもかまいません。大人が台紙を持ち替え、次に挟む位置を上へ回してから子どもへ示します。子どもの手首を無理にねじらせて周囲を埋めさせず、扱いやすい向きへ台紙を動かします。

3種類は、順に達成しなければならない段階ではありません。同じ台紙を繰り返す、かごの縁を使う、途中で終えることも選べます。絵を完成させることより、無理なく開閉し、自分で試せることを大切にします。

印刷台紙を使って作る

1 紙の全面を厚紙へ貼る

使う台紙のページをA4横向き・片面で印刷します。印刷紙の全面を厚紙へ貼り、十分に乾かしてから切ります。プリンターが対応する場合でも、機器の指定外の厚紙を通さないでください。紙の端が浮く、のりが乾いていない、重ねた層がはがれる状態では渡しません。

2 大きな外枠だけを切り出す

大人が印刷紙と厚紙を重ねたまま、台紙の大きな外枠に沿って切り出します。細かい切り込みは入れません。うさぎの耳やはりねずみの針、太陽の光を一つずつ切り抜く工程もありません。印刷された目印が外周へ接した状態にし、切れ端はすぐ回収します。

紙と厚紙のずれや鋭い角を大人が整えます。むき出しのホチキス針、別貼りの目玉やシール、小さな飾りは使いません。テープで縁を保護する場合は、端がめくれないことと、厚みが増えても無理なく挟めることを再確認します。ラミネートは必須ではなく、加工だけで安全になるわけでもありません。

3 台紙を支える位置を決める

うさぎとはりねずみは、大人が台紙の下半分を持ち、上辺の挟む位置から指を離して支えます。子どもの手が無理なく届き、洗濯ばさみを開閉するときに台紙が動きすぎない高さと向きを選びます。机へ立てることは必須ではありません。下辺を机につける場合も、滑ったり折れたりしないか実物で確かめます。

太陽は、大人が丸い台紙を持ち替え、使う目印を上へ回します。回すときはいったん子どもが台紙や付いている洗濯ばさみから手を離したことを確かめ、付いている洗濯ばさみを引っ掛けないようにします。大人の指は次に挟む場所から離し、向きを整えた状態で支えます。子どもは台紙を支える難しさを減らし、開く・合わせる・ゆるめる動きに取り組めます。

自立させる必要はありません。台座を使う場合だけ、幅と奥行きのある安定した物へ台紙の下側をしっかり固定し、抜けない、揺れない、外す方向へ力をかけても倒れないことを大人が確かめます。軽い箱へ立てかけるだけ、小さなクリップや重りを足して留める方法は避けます。安定しなければ大人が支えるか、底が広い浅いかごの縁へ戻しましょう。

4 完成した組み合わせを試す

選んだ台紙へ2個を離して挟み、順に外して容器へ置き、もう一度挟む流れを大人が通して試します。指を置く余裕があるか、洗濯ばさみ同士がぶつからないか、厚紙が折れたり裂けたりしないか、外す方向へ動かしても台紙が安定しているかを確認します。太陽は持ち替えも含めて試します。

実際に使う洗濯ばさみの大きさ・開き・ばねと、印刷紙を貼った後の板厚を組み合わせて判断します。厚みや形が合わなければ子どもへ出す前に変更します。印刷した図は設計案であり、ここに示した形状や寸法での実物試作は行っていません。

まずは外すところを見せる

子どもが手元を見られる位置に座り、「外してみるね」と短く声をかけます。大人の手で視界をふさがない側から、1個だけ見せます。左右どちらの手を使うかは子どもの様子に合わせ、利き手を決めるために矯正しません。

  1. 洗濯ばさみの持つ部分を、親指と向かい合う指でつまみます。先端やばねを持たず、押す場所が見えるようにします。
  2. ゆっくり押して先を開きます。先と縁が離れたところで、少し動きを止めます。
  3. 開いたまま、縁から離します。引っ張って外すのでなく、口が開くことで外れる様子を見せます。
  4. 容器の上へ運び、指の力をゆるめて置きます。離す場所を用意すると、次の1個へ移りやすくなります。

続けて何個も実演せず、残りを子どもへ渡します。最初は2個で始め、もう少し取り組みたがるときも、同じ2個を挟み直して繰り返せます。外したものを再び挟むのは大人が担当してもかまいません。

子どもが開閉を試している間は、説明を重ねずに待ちます。手を上からつかんで動かしたり、「この指で」と何度も直したりする必要はありません。危険がなければ持ち直しも見守り、助けを求めたときは「もう一度見せようか」と確かめます。

外せるようになったら はさむ

「つまむと開く」が少し分かってきたら、挟む動きを見せます。最初から目印の真上に合わせる必要はありません。挟みやすい広い縁を使い、安定してできるようになってから、うさぎの上辺の2か所を手掛かりにします。

  1. 容器から1個を取り、持つ部分をつまみます。
  2. 押して先を開きます。縁へ着く前に開き、先が閉じたまま縁を押さないようにします。
  3. 開いた先で縁をまたぐように位置を合わせます。この間、大人は台紙を支え、挟む場所へ指を入れません。
  4. 位置が合ったら、つまむ力をゆっくりゆるめます。洗濯ばさみが縁に留まったのを見て、手を離します。

見せた後は「やってみる?」と誘い、選ばなければ終わります。途中までできているときは、すべてを代わりにやらず、台紙を支える、縁を近づけるなど必要な部分だけ助けます。

KOTOBARIの見取りポイント

「何個できたか」に加えて、どこで動きが止まるかを見てみましょう。同じように挟めないときでも、開く力が足りない場合と、開いたまま位置を合わせにくい場合では、変える準備が違います。

  • どの部分を持っているか。持つ面を見つけられるか、先端を握っていないか。
  • 開く動きが出るか。片手か両手かより、無理な力や痛みがないか、押すと先が開くことに気づいているか。
  • 開いたまま運べるか。空中では開くのに縁の前で閉じるなら、開閉と位置合わせを同時に行うことが難しいのかもしれません。
  • ゆるめる位置が合うか。縁に届く前に離す、深く押し込みすぎるなど、どの位置で力が変わるか。
  • うまくいかなかった後にどうするか。持ち直す、縁を見る、もう一度開く、助けを求める、終わりにする。その選び方も記録できます。

記録は「2個外した。挟むときは縁の手前で閉じた。台紙を大人が支えると続けた」のように、見えた事実を短く残します。「集中力がない」「指先が弱い」と活動だけで決めつけません。

つまずいたときの変え方

開かずに引っ張って外す

いったん大人がゆっくり「押すと開く」を1回見せます。固さ、持つ面の広さ、縁への挟み込みが深すぎないかを確認しましょう。まだ開けなければ無理に繰り返さず、その日は別の活動へ移ります。

開くけれど はさめない

縁の手前で閉じるなら、外すだけの段階へ戻します。台紙が動くなら大人が支え、子どもは開閉だけに取り組めるようにします。縁を見ずに探している場合は、背景を無地にし、挟む物を1つに絞ります。

台紙が曲がる 破れる

道具と厚みの組み合わせが合っていません。単に厚く重ねると開きにくくなることもあるため、丈夫な縁に替える、洗濯ばさみを替えるなど、組み合わせを変えて再点検します。破れた紙片は回収し、その台紙は使い続けません。

すぐ手を離す 投げる 痛がる

先へ進めるサインと考えず、いったん止めます。痛みや挟み込みがあればその道具を下げ、眠さ、疲れ、姿勢、難しさも見直します。全部終える、決まった回数をこなすことを目標にしなくて大丈夫です。

一段やさしく 一段難しく

やさしくするには、個数を減らす、持つ面が広く軽く開くものに替える、大人が台紙を支える、外すだけにする方法があります。一度にいくつも変えず、何を変えたら取り組みやすくなったかを見ます。

慣れたら、外すと挟むを続ける、目印の近くへ挟む、はりねずみや太陽を選ぶなど、同じ目的の中で調整できます。数を増やすことだけで難しくせず、台紙の持ち替えは大人が助けます。縁を支える手も使う場合は、子どもの指が挟む場所から離れ、台紙が十分安定することを確かめます。

この台紙では、目印の数を満たすことや、色をそろえることを正解にしません。子どもが数や色へ興味を向けても、まず本人が試している動きを見守ります。できる個数を増やすために小さなクリップへ替える必要もありません。

安全に終えるための確認

消費者庁は、小さなおもちゃ本体だけでなく、外れた部品の誤飲にも注意を呼びかけています。洗濯ばさみでは、ばねや破片が外れたときも見落とさないようにします。長い製品でも部品が小さければ危険は残るため、「この長さ以上なら安全」とは考えません。[安全資料1]

指を挟む場所は先端だけとは限りません。連結部やばね付近にも触れないようにし、指・皮膚・顔・髪へ挟む遊びには使いません。固いばねを繰り返し扱わせず、軽く開けられる物でも見守りを続けます。布団ばさみの連結部で皮膚を挟んだ製品テスト事例は、挟む力だけでなく構造も点検する参考になります。これは本教材の安全性を確認した試験ではありません。[安全資料3]

紙・テープ・ラミネートのめくれも確認します。包装フィルムやシールの小片にも窒息の危険があるため、飾りや表面加工を増やしすぎず、欠けやはがれがあれば使用を止めます。[安全資料2]

口へ運ぶ、投げる、指を挟む、痛がる、部品が緩む、紙が破れる、台紙や台座が安定しない。このどれかがあれば、その場で止めて物を回収します。部品がなくなったら子どもを材料から離し、周囲を確認します。誤飲が疑われる場合は医療機関等へ相談し、呼吸が苦しいなど緊急の症状があれば119番へ連絡してください。[安全資料4]

片づけも同じ流れにする

「おしまいにしよう」と伝え、洗濯ばさみを1個ずつ外して容器へ戻します。子どもが終わりを選んだときは、大人が残りを片づけます。最初に出した数と、最後に戻した数を大人が照合し、ばねや破片、紙片が落ちていないかも見ます。

乾いた汚れは製品に合う方法で落とし、水洗いの可否は表示を確認します。木・紙を濡れたまま使ったり、金属部がさびたまま戻したりしません。台紙は曲がりやはがれを点検し、傷んだ物は交換します。

かごへ挟んだまま収納する場合も、子どもや年下のきょうだいが自由に取れない場所へしまいます。取り組みやすさは、飾りの多さよりも、数を絞り、同じ手順で始めて終えられる準備から整えていきましょう。

参考にした公開情報

本文の安全に関する注意は、次の一次資料を確認しました。具体的な台紙形状・道具の組み合わせ・段階の分け方は本記事の提案で、公的機関による認証や推奨を意味しません。確認日 2026年10月14日。

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安全資料3 独立行政法人国民生活センター 平成30年度業務実績等報告書 別添資料「資料6 商品テストの概要」No.59 布団ばさみ(紙面61ページ)

https://www.kokusen.go.jp/hello/pdf/g-gyoumu18_s1.pdf

安全資料4 政府広報オンライン「赤ちゃんやこどもを誤飲・窒息事故から守る!万一のときの対処法は?」

https://www.gov-online.go.jp/article/202408/entry-6450.html

活動の参考 モンテのお部屋「2歳のおうちモンテ実例集」

2歳のおうちモンテ実例集——手先・日常生活のお仕事アイデアと、イヤイヤ期の関わり方|モンテのお部屋
2歳のおうちモンテで何をさせればいい?という方へ。手先や日常生活のお仕事アイデアを月齢の目安と安全メモつきで紹介し、イヤイヤ期まっただ中の大人の関わり方まで、保育の長い先生といっしょに整理します。

元記事 KOTOBARI「洗濯ばさみ」

https://kotobari.jp/montessori/clothespin/

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